鉄の扉をひらくと金色の光が飛びこんできた。
あなたは眼前の光景に、言葉をうしなった。
モザイクのような迷路が足の下にひろがっている。どういう仕掛けになっているのか、地平線のはてまで石組みの壁で埋め尽くされているように見えた。
天は暗い黄昏にそまり、早い黒雲が流れている。
あなたは圧倒され、自分が何をしているか忘れかけた。時間の感覚さえ喪失しそうだった。
「ご主人様、行きましょう」
ロビンはあなたをうながし、先に足元の石段をおりていく。夢に迷いこんだようなおぼつかない気分で、あなたも迷宮のなかに踏み入っていった。
階段の下には、石組みの壁に囲まれた路地がのびていた。壁はあなたの頭より1メートル高く、空以外は何も見えない。
しばらく行くと、道は壁でおわり、T字路となっていた。
ロビンがあなたを見つめる。
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