サンタがきてホっとした。

 死神じゃなかった。今年もなんとか生き延びることができそうだ。

 アクトーレスたちは陽気だった。ずいぶんプレゼントを置いていった。おれなんか、生かして置くだけで赤字だろうに。

 ――この丸いのは?

 プレゼントはしばらく飾っておこうと思ったが、つい包み紙をひらいてしまった。丸いCDデッキのようなものが出てきた。

 デッキはすでにある。説明書をよく読んで、おどろいた。

(プラネタリウム?)

 さっそくスイッチを入れ、ルームライトを消した。
 
 少しして音楽が流れた。真っ暗な部屋に星が小さくまたたきはじめた。

(!)

 いつのまにか、あたりが星空に変わっていた。銀河がすぐ上に輝き、おれは星の間に浮かんでいた。 

 あっけにとられた。こんな素晴しいものがあるなんて――。これをおれにくれるなんて……。

 星の光を見つめ、身動きできなかった。感動で声をうしなうなんて、何年ぶりだろう!

 知らず、嗚咽していた。映像だとわかっている。だが、宇宙の美しさとやさしさに泣けてきた。

(神様)

 今来た連中はサンタだった。アクトーレスだが、確かにサンタがよこしたのだ。




 


 


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