悪党クラブ |
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デミル先生は眉をきつくしかめた。先生の長い睫毛が絶望で濡れている。それは、離れた席からもわかった。 その唇がわななく。先生の腰のかたいこわばりがわずかに解けている。 先生は小便をもらしている。おむつのなかに。授業中。 何も知らない生徒が得々とラテン語で朗読する間、先生は身を抱えるようにしてふるえていた。耐え切れず、今、もらしたのだ。 重い水がおむつを叩く音が聞こえるようだ。 顔がピンク色に染まっている。時折、抗うように身じろぎするが、止まるものでもないだろう。 椅子に浅く腰掛けた先生の腰は不自然にふくらんでいる。中はどんどん重くなっている。あたたかく、重く。 「ドク、五ポンド」 スタンが肘でつついてわらう。 「おむつ、ぐっしょりだ。ズボンに沁みてくんじゃないか」 おれは五ポンド渡し、 「それより泣くかもしれん」 「かまわないさ。感動してるんだ。教え子の朗読がすばらしすぎるからな」 ひとつ離れた席で仲間が好色な笑いを浮かべて先生を見ていた。 その息が浅く喘いでいる。勃起している男の顔は、上流の子弟も労働者階級も変わらない。ハンサムも秀才もない。生臭い、ずる剥けの、赤肉そのものだ。 「デミル先生、どういうことです。これは」 スタンが指示棒で先生のおむつを突いた。 先生はうつむいている。黒板の前で、ワイシャツとおむつだけの姿で立たされ、鼻先からぽたぽた涙を落とし、答えない。 先生のおむつは外から見ても水分をたっぷり吸って、腰に重く垂れ下がっている。いまはすっかり冷えて、尻に冷たくまとわりついているのだろう。 「あなたは恥ということを知らないのですか。ぼくは我慢なさいと言ったんですよ。皆に見てほしかったのですか」 デミル先生、と指示棒でペニスのふくらみを突くと、先生がすすりあげた。 先生に許しているただひとつの言葉は泣き声だけだ。 おれたちがどれだけなじろうと、責めようと、それは詫びの言葉がほしくてするのではない。これはコース料理の前菜なのだ。これから楽しい主菜が出てくる。先生にできるのは泣くことだけだった。 「先生は恥知らずすぎます。もっとよく躾てもらわないといけませんね」 スタンがこちらを向く。 「『ナニー』は?」 おれは眉をあげた。「そういや遅いな」 「のうのうと飯食ってんじゃないだろうな」 ほどなく、教室のドアが開いた。肩のいかつい、体育教師が入ってくる。 『ナニー(乳母)』だ。 彼の浅黒い顔はデミル先生の姿を見て、硬くなった。 デミル先生ははげしくすすり泣いていた。濡れたおむつの下の足が、恥と恐怖のために細かにふるえている。内ももにかすかに水がつたっているのが見えた。 「グリフィス先生」 スタンが嘆かわしげに言った。 「デミル先生がおもらししたんです。授業中に」 授業中、と聞いて男らしい眉がかすかに動いた。だが、感情らしきものはすぐに引っ込んだ。 「では罰を」 と、かすれた声で言った。 「ええ、お願いします。ついでにオムツも替えてやって」 グリフィス先生は大股でデミル先生の前に出た。 泣きじゃくっている先生の腰から濡れたオムツを引きずりおろす。そして、その腰を抱え、横抱きにしようとした。 「待て」 スタンが止める。 「そのままじゃ軽いだろう。こいつをつけて」 スタンが分銅のぶらさがったクリップを渡す。グリフィス先生は黙って受け取り、デミル先生のペニスをつかんだ。 「ひ」 グリフィス先生は容赦なく強い指でクリップを大きくひらき、デミル先生のペニスの亀頭をはさむ。 「イッ」 デミル先生が歯を食いしばる。先生の毛の無い股間に次々、クリップと分銅がぶらさがった。 先生の頬に悲痛な涙が流れ落ちたが、声はかろうじて立てずにいる。哀願をはじめたら、よりひどい罰を喰らうことがわかっているのだ。 グリフィス先生は机に尻をひっかけ、自分の太い太腿の上にデミル先生を引き倒した。 デミル先生の丸いかわいい尻があらわになる。わずかにひらいた内腿の間から、クリップで固められた無残な睾丸が見えた。 グリフィス先生の大きな手のひらがふりあげられた。 バンと重い音がする。 「ヒグッ」 尻を叩かれると、デミル先生の右足が浮いた。こらえきれぬように宙にとどまっている。 おれは彼の口にハンカチをつっこんでやった。デミル先生は泣きながら、ハンカチを噛みしめた。 |
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