悪党クラブ 第3話 |
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もう片方のチーム、パパ・クラレンスたちは別棟にいるという。 「やつら、グリフィスにドレスを着せて、女中にするんだってよ。旦那さまのいうことに逆らえない、しとやかな女中にさ」 アンソニーの説明に、おれは吹き出した。 グリフィス先生はフットボールのコーチだ。もとフットボール選手で、肩は人間ふたり分ぐらいあり、腰周りもでかい。 「入るドレスがあるのか」 「なんでもあるさ。それよりおれたちだ」 アンソニーは提案した。デミル先生におむつをつけて、赤ちゃんにしたてないか、という。 おれともうひとりのチームメンバー、スタンはすぐには返事ができなかった。 「それは」 スタンが金縁眼鏡をずりあげた。「なにが面白いのかね」 「面白いじゃない。おむつのなかでおもらしさせるんだよ。ケツ中クソまみれにしちゃうんだよ。興奮するじゃない」 「……」 アンソニーの変態たるゆえんはこのスカトロ好きだった。 父は貴族で、自身もいずれ爵位をつぐ貴公子なのだが、余人にはついていけないマニアックな趣味をもっていた。よくトイレの前で下級生を引きとめては、恥をかかせて泣かしている。 スタンが首をかしげ、 「おれはもう少しふつうに――」 「もうベビーベッドも買っちゃったんだ。特注なんだよ。おむつもミルク瓶も用意した」 スタンはあきれ、おれを見た。おれも笑ってしまったが、 「べつにいいよ。それくらいキテレツなほうが、訴えられなくていいんじゃないか?」 最近の軟弱男子は平気で女上司にレイプされたと訴え出る。おむつ遊びぐらいさせなければ、口封じにもなるまい。 おれたちはデミル先生を厩舎から客室に移した。 特注ベビーベッドに押し込められて、先生は絶句した。ベッドの上にはカラフルなモビールがさがり、枕もとにはキリンのぬいぐるみが添えられている。 アンソニーはおれたちに先生の股間をひらかせ、押さえさせた。 先生も恐れて、動けなかった。アンソニーの手に大きな剃刀があったからだ。 「そう。じっとして」 アンソニーは先生の股間にシェービングクリームを盛り立て、その陰毛を剃り落としはじめた。 「先生はもう言葉をしゃべってはいけません。あなたは毛のない赤ちゃんです。赤ちゃんに言葉は必要ありません。泣くのはかまいませんが、ぼくはうるさい子は嫌いです。ぼくたちに気に入られるようにふるまいなさい。さもなければ、命の保証はしませんよ」 おれたちは先生の調教をはじめた。 まず、先生から言葉を奪う。罵詈であろうと、哀願であろうと、一口でも人語を口にしたら、羊を追う電気棒を押し当てた。 きみたち――。 バチン。 やめ――。 バチン。 ちくしょう! バチン。 この法律を覚えこませるまで三日かかった。 遅いとはいえない。いくら覚えのいい人間であろうと、口をきかずにはいられなかったろう。先生はその間、おむつをあてがわれ、トイレに行くこともできず、ベビーベッドに閉じ込められていたのだから。 おむつに排泄しろと命じられ、先生は、かなり抵抗した。何度か電気棒を喰らい、トイレにはもう行けないのだとわかると、身を丸め、腹をおさえてふるえた。 本当はペニスを握りたかっただろう。 先生はかなり我慢していたが、ついにその時がきた。 かすかに、重い水音が聞こえた。腰のふるえは止まり、絶望的な弛緩が腹にひろがっている。 先生は小さく身をすくめ、目を伏せていた。蒼ざめていた顔が一転して真っ赤だった。 放尿は、もはやとまらない。あたたかい小便が紙に染み、重く垂れ下がってくる。 そのうろたえきった顔を見た時、おれはじわりと腹の底が熱くなるのを感じた。 アンソニーのいう色気が少しわかった。アンソニーを見ると、これまたよだれをたらさんばかりに凝視していた。 「デミル先生」 スタンが無遠慮に声をかける。 「おむつから、おしっこが漏れてますよ」 容赦のない男だった。先生はかわいそうに、見返すことさえできずふるえていた。 おれたちは先生のおむつを替えてやった。 先生はよほど恥ずかしかったのだろう。暴れ、ベッドから飛び出そうとし、電気棒を喰らっても、おれたちを罵った。 おれたちは先生の足首をベッドの枠にきつく固定した。大きく股をひらかせ、しごくゆっくり、先生の股間を拭いてやった。 先生はそっぽを向いていたが、おれたちが笑ったり、デリケートな部分にナプキンをすべらせるたびに、頬に血をさしのぼらせた。 パウダーをはたき、新しい紙おむつをつけてやった後、 「また濡れたら知らせてください。赤ちゃんなんですから、泣き声でね」 先生の目が斧の刃のように光ったのを覚えている。 食事、入浴。 ひとつひとつが先生を混乱させた。ほ乳瓶からはミルクを飲まなかったので、おれたちは幼児にするようにその尻を叩いた。 おふざけのようだが、これが楽しい。 先生の尻はかわいらしい。 小さいが丸い果実がふたつ、汁気たっぷりにならんでいる。まるみがちょうどぴったり手のひらにおさまる。 叩けば小気味よい音がした。叩きつづけると、肌が赤く熱をもち、濡れるように汗ばんだ。そのしっとりした弾力は、手のひらに中の甘い蜜を想像させた。 「ひ――」 尻を叩いていると、どうしても最後には尻穴に指をつっこみたくなる。そしてペニスを。 「ンンッ!」 さすがに先生も、尻穴をほじられるとじたばたと暴れる。 おれは先生をひざにのせたまま、尻のなかで指を蠢かした。 先生の背でしばられた白い肘がヒクヒクともがく。ひとつにされた足首が人魚のように浮きあがる。 「クッ、ン」 勃起させられるのがいやで、先生は逃げようと身をひねる。腰をくねらせ、背をのたうたせる。縛られた細身のくねる様がひどくなまめかしい。 だが、どうしたって勃起するのだ。 日がたつほどに先生のからだは愛撫になじんでいる。指を入れられれば、何が起きるか体のほうが覚えている。 「ふ、うふ、ンッ」 「どう。やりたくなった?」 だが、絶対に先生は応じない。ペニスがおれのズボンをよごしていても、はげしく首を横に振る。 やせっぽちのデミル先生は、なかなか意地っ張りだ。 それゆえ、射精が近くなると、哀れなほどうろたえる。尻を振って、必死に暴れる。 「ンーッ、ンーッ」 先生は懸命に首を振った。 おれは面白く思った。 下級生をレイプしてもそれほど手ごたえはない。彼らは泣くか、むくれるかしたが、結局、お兄さんとの新しい遊びになじんでいった。双方とも性欲さかんな年頃だったからか。 年上の獲物は面白い。先生は面白い。 そのからだには歳月が育て上げた、奇妙な鉱物がひそんでいる。学校という小さな世界がひそんでいる。 そのめずらしい石を一度叩き潰してみたかった。どんなことが起こるのか、見てみたかった。 |
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