第6話 |
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わたしは目を覚まし、ぼんやりと窓枠の細い光を見ていた。 すでに午後の陽だ。 犬たちはこの日、わたしの拘束を解かなかった。裸のまま後ろ手にしばりあげ、ベッドの上に転がしておいた。右足首にも鎖がからんでいるようだ。 小用と食事のために、何度かのぞいただけで、わけを言わない。 本来、昼の自由行動もイーサンが言い出したことだ。彼の気が変わったなら、わたしに逆らう理由はない。 このアフリカにいる間は、彼らがわたしを支配するのだ。 (それにしても) 窓すら開けないのはどうしたことだろう。鎧戸とカーテンのせいで、部屋はほぼ闇に近い。 わたしは寝返りを打とうとして、尻の違和感に気づいた。尻の穴が濡れている。直腸に液がたまっているようなわずかな重みを感じた。 身を起こそうとして、髪の感触に気づく。 (この長さ。メリルのかつらだ) 意識が醒めはじめた時だった。廊下にあわただしい足音がした。 いきなりドアが開く。ふりむきかけて、おどろいた。 「メリル!」 あの黒人の若者がいた。ジェイコブがわたしを見て、硬直していた。 「さあ、彼をなぐさめてやって」 イーサンが彼を押し入れる。 「ご主人様のご好意だ。遠慮はいらない。十分に楽しむんだよ」 ドアが閉まり、明かりが消えた。 わたしは息を凍りつかせた。イーサン。いったい何を。 だが、闇のなかから若者が砲弾のように飛んできた。わたしは声にならない悲鳴をあげ、もがいた。 「メリル! ああ、メリル!」 若者の強い腕が、わたしを抱え込んでいた。彼のすべらかな顔が首に押し付けられた。 その唇が頬に触れた時、わたしは動けなくなった。彼はわたしのギャグのふちにキスしていた。 その清冽なエネルギーに眩んだ。 彼の無邪気な歓喜が伝わってくる。大きな羽のような慈愛が全身から覆いかぶさってくる。 ――ばか。わたしはちがう。 だが、なぜか力がぬけていた。不可解なかなしみにとらわれ、突き放せなかった。 「――」 若者のあたたかい手がわたしを?き抱き、いとしげに撫でまわしている。 若い彼のペニスは早くも服を突きあげていた。 わたしのからだは磁力にひかれるように反応した。濡れた尻の穴が騒ぎ出し、ペニスが熱く疼きだした。 ほしかった。 この無垢に破壊されたかった。 わたしは不自由な身を揉むようにして、彼の胸にすがりついた。 ジェイコブはわたしの勃起したペニスに気づいた。彼は飛び起きるとシャツを脱ぎ、全裸になった。 そのあとは坂を転げまわるようだった。 いつのまにか、尻に彼の長いペニスを受けて、身悶えていた。 なんて熱い。なんて荒々しい。 力強い指がわたしの腰骨をつかんでいる。深く、手に負えないほど深く、はげしく突いてくる。 「アアッ、アアッ」 わたしは首をふり、悲鳴をあげた。 若いペニスはすぐに吐精し、すぐに復活する。矢継ぎ早に放たれ、わたしの腸は大量の彼の精であふれていた。ペニスが跳ねるたびに、尻から熱い潮が吹く。内股が濡れる。シーツの下もわたしの精で浸されていた。 「は、アアッ、もう待――アアッ」 続けざまの絶頂にわたしは泣き騒いだ。足をばたつかせた。いつのまにかギャグがはずれていた。 「ヒッ――」 電流がからだを勝手に追い上げ、ペニスが精を吹きこぼす。それは止まらず、小便のように流れ続けた。 (ああ……) 尻のなかにも熱いものが満ちている。背後のすべらかなからだが痙攣している。 たがいにはげしく喘いでいた。彼の手がわたしのあごをとらえた。熱い息のなかで、唇を重ね、からみあった。 意識に真空がおとずれた。 長い、たくましい腕がわたしを抱え込んでいた。わたしは彼のなかで放心していた。はだかで、陰部を濡らし、すべてをさらけ出して無防備に身をあずけていた。 目から熱い涙がにじむ。陶然と眠りに落ちかかった時だった。 「メリル、起きて」 ジェイコブはすでにベッドを降りていた。服を着ている気配がする。 「その手錠の鍵をとってくる。主人の部屋はどこ?」 わたしは暗闇に目を開いた。 思わず声を発していた。 「なにを」 「逃げるんだよ。ここから」 その時だった。 いきなりドアが開き、部屋の明かりがついた。 「終わったー? おふたりさん。そろそろおひらきでいいかな?」 メリルの大きな笑顔が入ってきた。 |
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